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| 1.病名 |
| 通風 |
| 2.原因 |
- 通風は、プリン体(尿酸の素。細胞の核内にある核蛋白の一種)が、代謝して尿酸になる過程、あるいは、尿酸の排泄障害によって起こる代謝性疾患である。
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- 主に関節に尿酸塩が沈着(高尿酸血症)して、発作性関節炎を起こすため痛みを伴う。
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- 高尿酸血症には、尿酸の合成が過剰になる(代謝性通風)原因と、腎臓から尿酸を排泄する機能が低下する(腎性通風)原因の、2つによるもの、又その合併型が基本形をなす。
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通風は、通風を引き起こす要因から二種類に分類される。
- 一次性通風(原発性通風)
- 中年以降の男性に多発(最近は若年化の傾向がある。女性でも発症)
- 肉類・アルコール(プリン体の含有量が多い食品)を好む習慣
- 肥満傾向
- ストレス
- 家族に通風患者がいる
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- 二次性通風(続発性通風)
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| 3.診断 |
- 通風は、定期検診で血中尿酸値を測定していれば早期発見が可能であるが、大部分は発作があって初めて認識する場合が多い。
- 血中尿酸値は、一般に3〜6mg/dlで、7mg/dl以上を高尿酸血症としている(約10mg/dlになると発作を起こす)。
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| 検査項目 |
成績 |
基準値 |
| 尿酸(血清) |
上昇 |
2〜6mg/dl |
| 尿素窒素 |
腎障害のある時は上昇 |
8〜18mg/dl |
| クレアチニン |
腎障害のある時は上昇 |
0.34〜1.3 mg/dl |
| 腎機能 |
正常 |
腎疾患による二次性通風のときは低下 |
| 血沈 |
関節炎発作時に上昇 |
男:10以下 女:15以下mm/h |
| 白血球 |
関節炎発作時に上昇 |
4000〜8500/m3 |
| CRP |
陽性 |
陰性 |
| 尿酸 |
尿酸生成亢進型では上昇 |
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| 尿酸排泄減少型では低下 |
| 尿酸クリアランス |
尿酸排泄低下型では低下 |
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| クリアチニンクリアランス |
尿酸排泄低下型では低下 |
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| 関節液 |
尿酸ナトリウムの結晶 |
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| 関節X線 |
関節の抜き打ち像 |
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| 4.症状 |
- 第一期は<無症候性高尿酸血症>で、関節炎の症候を欠くが、高尿酸血症が存在する。
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- 第二期は<急性通風性関節炎>で、尿酸結晶により誘発される極めて急性の有痛性関節炎が起こり、足の親指付け根の、関節の発赤・腫脹、激しい痛み、発熱・悪寒などの全身症状が襲う。
- 通常数時間で最高となるが、放置しても一週間程度で症状は消退する。
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- この際に検査を行うと、血沈値亢進、白血球増多などの異常検査所見を呈する。
- 足の親指付け根の関節に症状発生頻度が高い。急性関節炎はコルヒチンで予防できる。
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- 第三期は<慢性通風関節炎>で関節や周囲組織に常に尿酸結晶が存在し、関節組織の破壊がある。尿酸はじん帯や皮下組織にも沈着し皮下結節を形成する。
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- 第二期の発作が年1〜2回から次第に頻度を増すようになると、罹患後5〜6年の間に、足関節・肘関節・手関節などに通風結節を生じる第三期<慢性通風関節炎>に入る。
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- この他、第三期には、尿酸による腎障害、腎結石、通風腎なども発症しやすい。
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- 治療されない高尿酸が続くと、心・脳血管障害を起こし、ついには尿毒症死になる。
- 通風を有する人の死因は、心筋・脳梗塞が60%位となっている。
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| 5.予防 |
- 一次性通風(原発性通風)の予防は、肉類・アルコール(プリン体多含有食品)を好む習慣における、食事バランスの改善や、肥満予防が重要。特に家族に通風患者がいる場合は発症しやすい傾向にあるので、太っていなくても、アルコールを飲んでいなくても日頃の食生活やストレスに要注意。
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- 尿酸を低下させるには、体内で作られる尿酸量を少なくするか、できた尿酸の排泄を促進するかである。
- この尿酸は、プリン代謝の終末産物として、特に肝臓で生成され、腎臓から尿中に排泄されているが、尿酸の排泄過剰により腎臓に大きな負担をかけることから腎障害は、最も関連の深い合併症といえる。
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- この他、高血圧、糖尿病、過血糖、高脂血症血症などが合併症として上げられる。
- これらの疾患の場合には、特に肥満にならないことが予防点として重要である。
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| 6.改善 |
- プリン体は、食物から摂取するプリン体だけでなく、プリン体以外の蛋白質などの代謝産物からも体内で生合成されることが明らかになった上、急性期の鎮痛にはコルヒチン剤、慢性期には尿酸利尿剤、等の治療薬の普及により、食事療法は以前ほど重視されないが、プリン体含有量の多い食物は血中尿酸を上昇させるので、低プリン体食摂取が望ましい。
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- 高尿酸血症は降圧剤や抗結核剤を用いても、いずれも尿中に尿酸をみるため、発症後は体内の尿酸の動向に注意し、高尿酸血症の是正を目標に、プリン体の制限食、肥満を除去し、標準体重の維持に努める食事の改善、更に合併症予防の為の食事療法が必要である。
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| 7.食事療法 |
【食事療法の基本方針】
- プリン体の制限
- ・・・良質蛋白質の不足にならぬ程度に過剰プリン体摂取を避ける
- エネルギーの制限
- アルコールの制限
- ・・・尿酸排泄を抑制し、血中尿酸値を上げるので制限
- 水分の摂取
- ・・・尿酸排泄・腎臓結石予防の目的で、尿量を2L/日以上に維持する為、不感蒸発500ccを加えた2.5L以上の水分補給が目標。
- 脂肪の制限
- ・・・高脂肪食は、ときにケトーシスを引き起こし腎臓からの尿酸排泄を減少させ血中尿酸値を上昇させる。個人摂取量を相談。
- 減塩
- 尿のアルカリ化
- ・・・尿酸がアルカリに溶けやすい性質を利用し尿のアルカリ化を図るため、重曹を飲んでph6.5位の理想値にするのも方法ではあるが、野菜や果物の摂取は尿のアルカリ化につながる為、十分に摂取するようにする。
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食品の選択
- 蛋白質は所要量にほぼぴったりを遵守。よく食べる食品構成で、1日の摂取食品目安重量を「食品構成重量」として栄養士に算出して貰うと良い。
- 問題は蛋白質の総量やkcalだけでなくプリン体含有量や脂肪量なので、細胞成分に多いプリン体を避け、相互的に判断し、摂取する蛋白質の種類の選定や調理方法を、栄養士に確認することが重要。
| 良い |
プリン体含有量の少ない 牛乳、チーズ、穀物、野菜、果物、鶏卵など |
| 制限 |
プリン体含有量の多い 獣鳥肉類、魚介類、豆類・大豆、内臓など
(ブイヨンなど姿が見えない物も、制限素材の旨み=核酸=プリン体を移しているので制限) |
| 悪い |
筋子・いくら・キャビア・たらこ等。卵1個に対し一つの核酸なので、避ける。 |
- 腎機能をみながら、塩分の摂取に注意する。
- 脂肪の少ない食事にする。
- プリン体(核酸)は水溶性なので、調理法を煮る、茹でるなどにし、汁を食さなければ、制限素材も上手に食べることができる。
- 肉スープ、鰹節、煮干は避ける。
- アルコールの絶対量が疼痛と関係しているので、節酒し、調味料としての使用も避ける。
- 飲料水を十分にとる。
- 尿細管中で尿酸が析出するのを防ぐため、1日2L程度の尿量を保つ。
- その為には、不感蒸発500ccを加えた2.5L程度の水分摂取が必要。
- 食品にも水分があるので、栄養士に一日の食事中の水分目安を算出して貰い、飲量としての目安を確認すると効率的に目標量の補給が行える。
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食品100gのプリン体含有量
【微量または含まれない食品】
| 穀類 |
ごはん、パン、うどん、麺類、そば、マカロニ、スパゲッティ、小麦粉、とうもろこし、クラッカ−、酵母、タピオカ |
| 芋類 |
じゃがいも、さつまいも、片栗粉、里芋、くず粉、くろくわい |
| 乳類 |
牛乳、チーズ、バター、脱脂乳 |
| 卵 |
鶏卵、かずのこ |
| 野菜 |
ちしゃ、キャベツ、芽キャベツ、人参、小松菜、三つ葉、トマト、きゅうり、かぶ、なす、かぼちゃ、白菜、大根、牛蒡、よもぎ、しそ |
| 果物 |
季節の果物、缶詰類、ジャム、ゼリー、果汁 |
| 油脂類 |
サラダ油(オリーブ油、ごま油、など) |
| 海藻類 |
のり、わかめ、昆布 |
| 豆類 |
あずき、*皇帝豆、緑豆もやし、そらまめ |
| 調味料 |
酢、塩、醤油、砂糖およびその加工品、はちみつ、水あめ |
| 嗜好品 |
コーヒー、ココア、チョコレート、茶 |
| その他 |
ゼラチン、肝油、木の実、胡麻種子、すいか種子、りゅうがん、しいたけ |
【75mg以下】
| 魚介類 |
魚介類:あじ、かに、うなぎ、燻製たら、にしん、かき、さけ、まぐろ、しらうお |
| 肉類 |
鶏肉、ハム |
| 穀類 |
オートミール |
| 豆類 |
いんげん豆、えんどう豆 |
| 野菜類 |
アスパラガス、花野菜、きのこ、さやまめ、ほうれん草、さやいんげん |
| 果物 |
柿 |
【75〜100mg】
| 魚介類 |
こい、たら、ひらめ、わかさぎ、しゃこ、すずき、かます、ます、貝類 |
| 肉類 |
鴨、ベーコン、牛舌、鶏肉スープ、肝ソーセージ、肉スープ、豚肉、はと、きじ、うずら、うさぎ肉、羊肉、七面鳥肉、仔牛肉、ガチョウ、鹿肉 |
| 豆類 |
納豆(乾燥重量) |
【150〜1000mg】
| 魚介類 |
ひしこ(塩漬)、油漬いわし |
| 肉類 |
肝臓、腎臓、脳、肉エキス、肉汁 |
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